九州大学大学院総合理工学府 永長・北條研究室
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研究概要
安心,安全な環境共生型社会を構築し,我々が幸せを享受するためには山積するエネルギー・環境問題の解決が必要です.触媒は喫緊の社会的課題に対処するためのキーテクノロジーであり,様々な環境下において高活性・高選択性を示す長寿命の触媒材料の設計・開発が強く求められています.当研究室では,金属ナノ粒子,金属酸化物,多孔体材料などの多種の無機材料を原子レベルで構造制御し,ハイブリッド化することにより,化学反応を自在にコントロールするための高機能触媒材料の創出を目指しています.化学工学的な観点から触媒反応を設計し,さらに,マイクロ波,低温プラズマなどの特殊反応場を用いることによりエネルギー効率の高い反応プロセスを開発しています.
主要研究テーマ
1. 構造制御した金属担持触媒の設計と開発
環境共生型科学技術の開発,発展においては,その基盤となる先進機能材料の画期的な進化が不可欠です.このような次世代型機能材料には性能や安定性などにおいて既存材料をはるかに凌ぐ特性が求められますし,ハイブリッド化などのより精緻で複雑な系への展開も必要です.私たちは,その戦略として,実用されるマクロオーダーで要求される機能・性能を的確に把握し,その実現のために材料の設計・合成段階から合目的的にナノレベルから制御して構築するという「機能と構造のナノ-メソ-マクロ階層制御」を掲げて研究を行っています.
2. 複合金属酸化物触媒特性の解明
複合金属酸化物は単純酸化物に比べて高い酸化特性、酸・塩基特性を示し、優れた触媒機能を有するものが多様に存在します。当研究室では、ABO3型ペロブスカイト型酸化物、AB2O4型のスピネル型酸化物触媒について、基礎的な物性・触媒特性を理解するとともに、調製過程や構成元素を変えることによりこれらを制御し、高い機能を有する触媒材料の開発を目指しています。
例えば、LaをAサイトに、Mn、CoをBサイトに含むペロブスカイト型は高い酸化特性を有し、Aサイト元素の一部をSrに置換することでMn、Coの酸化数が変化し、酸化還元特性が向上します。さらに、調製過程を変えることによりベンゼン酸化反応が促進することを見出しています。
3.
環境触媒技術に関する研究
化学工場や多種の事業所,自動車から揮発性有機化合物(VOCs)窒素酸化物(NOx),硫黄酸化物(SOx),未燃の炭化水素(HC),一酸化炭素(CO),二酸化炭素(CO2),ディーゼルパティキュレート(DPM)が排出され,それらは現在の環境問題の原因となっています.当研究室では,これらの多岐に渡る汚染物質を効率良く除去するための触媒材料と反応プロセスを開発しています.特に,低濃度のVOCは従来の触媒燃焼法や吸着法では対処するのが困難ですが,我々はオゾンを酸化剤とする触媒酸化法について検討を行い,疎水性ゼオライト(USY)に酸化マンガンを担持した触媒が室温付近においても高い活性を示すことを見出しています.一方,高濃度のVOCを処理する方法として,ペロブスカイト型酸化物などの複合金属酸化物を触媒としたマイクロ波加熱プロセスについて研究を進めています.いずれの反応プロセスも,コンパクトかつ安価なリアクタを構築することが可能であり,中小規模のVOC発生源対策技術として実用化を目指しています.
上述のマイクロウェーブ反応やPMやウイルスなどの固体反応物を対象とした反応は,触媒化学,触媒材料科学,反応プロセス化学の観点から見て新しい分野です.我々はこれらを対象とした新たな触媒化学の構築も視野に入れて取り組んでいます.
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